| ●ファック・オフ! ブック・オフ まーあれだ、俺の言いたい事はただひとつ…。ブック・オフ、 ファック・オフ! 10代の頃から溜めに溜めたマンガ本、書籍を処分しようと思 い古本屋に売ることにした。家の近所には5店鋪古本屋があるが、 本を売るならブック・オフ。と、いつの間にかマインドコントロ ールされている俺は迷うことなく数百冊のマンガ本を車に詰め込 み店へと走った。 「お持ち込みですかぁ?」丁寧で明るい対応の店員はとても好印 象だった。査定している間、店内を見渡すと本を立ち読みしてい る若者達が目立つが、みんな何かしら買い物をして帰るので、レ ジは大忙しだった。なるほど古本屋がこれだけ売れているってこ とは新刊は売れないわけだ。などと、ふにふに考えながら時間を 潰していた。 しばらくすると査定が終わりましたと呼ばれたので、幾らにな ったのか少しドキドキしながらカウンターへ向かった。 「有難うございます。今回のお値段はこちらになります」 明るい対応の店員は予想額よりちょっと少なめの数字を当り前の 顔で指差した。査定用紙を見ると100円が何冊、60円が何冊、 30円が何冊などと細かく明確に記されていた。 まーこんなもんかと、その値段で了承し用紙に名前と住所を書 き込もうとすると、見覚えのある本達が左に山積みになっている のに気が付いた。 「えーと、大変すみませんがこれらの本は値段が付けられないの でコチラで処分するか、お引き取りして頂きたいのですが」 ええっ!……これ全部ダメなのっ? 買ってくれないの? 何が ダメなの? どうしてどうして? 半分近く返品された大量の本 を眺めて困惑しながら問い詰めた。 一瞬なにが起こったのか訳がわからなかったが、これまた丁寧 に理由を教えてくれた。店員いわく問題は「日焼け」だった。 ちゃんとガラス付きの棚に入れてあったものもあったし、折り 目も差程ないので状態にはある程度自信があったが、特に買った 状態のまま帯を付けて置いてあったものは確かに帯をずらすと、 かすかに日焼けしていたので全滅に近かった。 マジかよ。つーことはあれかい、ブック・オフさんに売る時は 日の当たらない真っ暗な地下室とかで保存した本じゃないと買い 取ってくれないってことかよ。 ボー然としながら返品された本の山を見て、またこれを持ち帰 る憂鬱さと格闘していた。 「どうしますか? コチラで処分いたしましょうか?」 店員はやたらと処分を薦めてきたが、捨てるのは勿体無いので、 売れる物だけ売って残りをすごすごと持ち帰ることにした。 とは言っても一度売ると決めた意志を曲げ家に帰ることは負け を意味するのでダメもとで他の古本屋に行ってみることにした。 今度はやたらと無愛想な店員が面倒くさそうに査定をはじめた が、客が少ないにも関わらずやたらと時間が掛かった。 ようやく査定が終わりレジに呼ばれる頃にはもうどうでもよく なっていて、ここでも値段がつかないなら捨ててもいいやという 気持ちになっていた。 「今回の買い取り価格ですが、全部でこの値段になります」 なんと見せられた電卓には数字が並んでいた。しかも驚くことに さっきブック・オフで売った本よりも全然高い金額が表示されて いた。 喜びと同時に怒りがふつふつと沸き上がってきた。危ないとこ ろだった。さっき店員の薦めるまま処分していたらタダで金を吸 い取られるところだった。ファック・オフ! ブック・オフ。 |