第2回
織田無道も「勘弁!」
マジヤバ心霊スポット『将門の首塚』


夏の定番・心霊スポットへ出かけよう!

 夏だし、心霊スポットっつーのもいいかな? ということで、今回は大手町にある『将門の首塚』へお出かけ! 最初の数十行は単なる思い出話&青臭い主張なので、興味がない人は「はい、ここから本番」を検索して、そこから後を読んでください。よろしく原宿!


織田無道のフレキシブルさに秀樹感激!

 今をさること数年前、とある仕事で織田無道氏と関東近郊の心霊スポットめぐりをしたことがある。あう前に著作を読んでおこうと思い、書店で目についた本を数冊買ってみた。あれ? 本によって書いてあることが違う! ある本では「ここには恐ろしい怨念を持った霊がいます」みたいなことが書いてあるのに、別の本では同じ場所のことを「何も感じない」みたいなことが書いてある。え? テキトー? そんな疑問を持ちながら、織田氏と顔合わせ。「よろしくお願いします。ところで、今回は霊がいる方向ですか? いない方向ですか?」という言葉が。そう。織田氏はメディアというものを非常によくわかっている人なのだ。
 ここで、誤解をさけるためにちょっと説明をばをば。これを読んでいるみなさんもすでにわかっていると思うけど、テレビや雑誌というものは、最初に答えありきで作られる。例えば、オヤジ向け雑誌や情報バラエティ番組にありがちな「ガングロギャルを渋谷の路上で捕まえて、レシピを見せずにサバ味噌を作らせる」ような実験コーナー。ああいうのは「ほーら、やっぱりああいうチャラチャラした連中は、料理なんてできないんだよ」というためにあるので、出来なそうなコに最初から声をかけている。仮にできるコにうっかり声をかけちゃった場合でも、それは表に出さない。着地点はあらかじめ決っているのだ。
 そういう行いを、卑劣だと思う人もいるかもしれない。でも、私は違うと思う。そもそも、人間が作っている以上、完全に客観的な視点だけでモノを紹介することは不可能。情報を発信する「人」というフィルターがある限り、私見はどうやっても入ってしまう。それに、対象の読者なり視聴者なりが喜ぶ情報を提供しないと「おもしろくね〜」と納得せずに離れてしまう。雑誌もテレビも、見てくれる人がいないと成り立たない。
 大事なのは、情報を受ける側がそれを意識すること。「これは○○向けの媒体だから、○○に都合のいい話になっているんだ」と意識して「ウソではない、が、正しいわけではない情報」をきちんと受け取る、または楽しむのが、エレガントな大人の対応なのではと思う。というわけで、1.織田氏は媒体の方向性をきちんと理解して、それにあわせて仕事をするプロフェッショナルだということ。2.だからこそ媒体によって正反対のことをいっていても、そこにツッコミを入れるのは野暮だということを理解してもらいたい。


無道が取材拒否! マジヤバなのか……!?

 ちなみに、そのときの媒体は「霊はいる!」という方向性で「しかも強烈なヤツ!」を紹介したい意向だった。織田氏はいろいろと案をあげてくれたが、有名な将門の首塚は出てこなかった。「織田さん、首塚はどうですか?」「あれはダメです!! 私はどこでも行くし、どんな仕事でも受けますが、あそこだけは本当にシャレにならないんで勘弁してください!!」というお返事。「へ〜。そこまでいうんならさぞやすんげーところなんだろうな〜」と考えたのをふと思い出し、今回のデースポはここに決定! 


首塚とは? そして呪いは本当にあるのか?

 はい、ここから本番。名前はよく聞くけど、実際どこにあるのか知らない人も多い将門の首塚。住所は東京都千代田区大手町一丁目一番一号という、非常に覚えやすいところにある。平貞盛らの奇襲により、38歳の若さで憤死した将門。彼の首は京都に送られさらしものにされたが、3日後白い光を放ちながら東へ飛び去り、ここへ落ちたと伝えられる。将門の怨念は凄まじく、ふざけた気持ちで近寄るとかならず災いが起こるという。周囲のオフィスでは、首塚にお尻をむけないように、みんな一方向に向かって座っているとか(真偽未確認)。また、霊を怖がらない爆笑問題の太田光が、首塚を蹴ったおかげで、しばらく仕事を干されていたというウワサもある(真偽未確認)。本当かどうかより、そんなウワサがまことしやかに流れているということで、いかにこの首塚が恐れられているかということがわかるだろう。


ものものしい雰囲気。皇居があるせい?

 最寄り駅は東京メトロ&都営地下鉄大手町駅、出口はC5。東西線の竹橋駅2番出口からも徒歩5分程度。私は竹橋駅から20時頃行ってみた。まだ夜も早い時間だというのに、駅の周りは真っ暗。駅の出口は皇居のお堀のすぐ横なので、警官がそこかしこにいる。あからさまに怪しい行動でもしない限り声をかけられたりはしないが、あきらかにこっちの様子をうかがっているのがわかる。私の動きをみて、警官同士で無線連絡を取っているらしく、ちょっと移動すると別の警官が必ずいて、遠巻きにこっちをみて人数風体を確認していた。
 三井物産ビルの門を曲がると、高層ビルの合間にポッカリと開いた小さなスペースがあった。「都旧跡 将門塚」と彫られた大きな石が入り口にあるので、絶対に迷わずにたどり着ける。中に入ってみると、木々がうっそうと繁っていて(夏だから?)、街灯があるのにかなり暗い。入ってすぐ左側に、由来が書かれた大きな木の看板が立っている。まっすぐ進むと、正面のどん詰まりに石碑が。ここは将門の首塚であると同時に、酒井家上屋敷跡でもあるとのこと。伊達騒動の伊達安芸、原田甲斐が殺害された場所だということだった。そこで右を向くと、目の前にあるのが将門の首塚だ。お墓のような形をした大きな石碑で、花や線香がそなえられている。「お酒を絶対にかけないでください」という注意書きがあったが、これはたたりうんぬんというより、酒に含まれる糖分で石が傷むとか掃除が大変ということではないだろうか。石碑の横には何体もカエルの形の大きな石(幅40センチくらい)があったが、それらの由来はどこにも書いていなかった。


取材時に怪異は起こったのか……!?

 さて、実際に霊気を感じたのか? 正直、私は幽霊とかその類いのものをあまり信じていない。霊感と呼ばれるものも持っていないので、はっきりしたものはわからなかった。でも、宵の口とは思えない異様な静けさや、みっしりと繁った木々の影、風通しの悪さからくる異常なまでの蒸し暑さなどが相まって、異界感は確かに感じられる。皇居の周りの厳重な警戒体制も含めて、非現実的なバイブス(っていうの? 今のヤングは)がビンビンに漂っているのだ。周囲には「震災イチョウ」と呼ばれる、関東大震災の焼け野原の中でも燃え尽きずに生き残ったイチョウの木や、奈良時代の政治家・和気清麻呂の巨大な銅像があり、歴史マニアが行っても満足できる。稲ジュンのトークライブの後に立ち寄るというコースをお勧めしたい。
 余談。首塚のさい銭箱にお金を入れ、お参りをして帰ろうかというとき、暗闇から何ものかの気配を感じた。「霊か!?」と思い動きが止まる。近所のビルの警備員だった。どうやら、人が入ってきたら、オフィス荒らしではないか必ず見にきて確認するらしい。あせらせるなよ……。今度こそ帰ろうと思ったら、呼吸のような音がかすかに聞こえる! 「ヤバい! 死なされる!!」と振り返ると、敷地内のスミにある真っ暗なベンチの上で、浮浪者がいびきをかいていた。あんた、ここで生活してるの? 恐くないの? 織田無道よりキモが座ってるよ……。


関連サイト


平将門(たいらのまさかど)ウィキペディア

首塚の地図

グーグルマップで上空から見た首塚

和気清麻呂(わけのきよまろ)ウィキペディア

織田無道オフィシャルぺージ
え!? 無道首塚行ってるじゃん!

稲川淳二公式サイト


【アクセス】

東京メトロ東西線、千代田線、半蔵門線、丸の内線、都営三田線大手町駅C5出口から徒歩2分。東京メトロ東西線竹橋駅から徒歩5分。駐車場なし。公共交通機関、または徒歩での訪問推奨。24時間オープンだが、休日の夕方から夜までの時間帯がベスト。






方向音痴さんでも安心のランドマーク。これは敷地内にあるもの。道路側にもわかりやすい看板が立っているので、遠くから見ても「あそこだ!」とわかりやすくなっている。


由来が書かれた立てカン。問い合わせ先の電話番号の市内局番がまだ3桁。東京23区の市内局番は14年くらい前に4桁になったはず。いいかげん書き直したほうがよいかと。


正面から見るとオベリスク型に見える石碑。よく磨かれていて、表面はツヤツヤ光っている。ここにきたら「奉納」と書かれているさい銭箱(?)にお金を入れてお参りしよう。


こっちが本体なのか? かなり古そうな石灯籠。一休さんが雪の中で凍えそうになっているときに、遥か遠くの灯籠の灯りを見て元気を取り戻したエピソードを思い出した。


横にセブンスターをおいてないのでわかりづらいが、実物はかなりの巨像。『猿の惑星』のラストシーンで、テイラーが自由の女神を発見したときの気持ちが少しわかった。
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