|
数分前の出来事を忘れてしまう病気。昔のことは覚えていても、発病してからは、今現在の自分の行動や思考などが一切記憶出来ない。そういった病気を背負った男のドキュメンタリーを、以前テレビで観たことがある。 その人は今の自分を忘れないために、いちいちメモを残していた。料理を作っていれば、今自分が作ろうとしている料理名や材料、手順など一つの物事を起こす度にメモっている。そうしないと、たとえ今自分が包丁を握っていても、何のために握っているのかさえ忘れてしまうからだ。
なんて悲しい病気なのだろうと思った。
この映画の主人公もそういった病気の持ち主だった。物語は逆回転で展開する。 主人公の記憶を呼び覚ます為のポラロイド写真に書き込んだメモや、忘れちゃいけない大切なことは自分の身体にタトゥーとして残したりしたそれらを頼りに、断片的に記憶を辿っていくのだ。とてもわかりづらい。だが、そのわかりづらさが、この病気に苦悩する主人公になったみたいな気分にさせられた。
マジで、物語が進むにつれ、さっきまで観ていた内容がわからなくなっていくようで、頭の中でまとめるのが大変だった。 観終わって、エンディングから最初のシーンまで逆回転で早くまとめないと忘れてしまいそうになった。観ているコッチが記憶障害になっていくような……ハッ!! これが狙いなのか? そうなのか!?
もう一度観ようと思った。多分2度観るべき映画なのだろうが、なんだか疲れちゃったのでやめた。物語に救いがないと思ったのもその理由の一つだ。
それから余談ではあるが、ポラを振る行為というのは、正しいのだろうか? ポラロイド写真は画が出てくるのに時間がかかるので、一刻も早く画を出そうと主人公はしきりに振っていたが……。でも、前にどっかで意味がないと聞いたことがあるんだけど、どうなの?
|