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なんでもアリの街。それがダウンタウン。
はい、そんなわけで珍商売シリーズ第二弾。今回ご紹介する仕事人の職場はLAの中心に位置するエリア、通称『ダウンタウン』。建ち並ぶ高層ビルと雑多な問屋街。有名なリトル東京やチャイナタウンも隣接してます。 この街をひとことで説明すると『富と貧』。オフィス街のすぐヨコにあるヤバめの地区は、日が暮れると同時に素人にはとても近づけない極悪スラム街に変貌。まさに1ブロックでがらりと変わる雰囲気。路上でたき火はあたりまえ。もらえるものはゴミでももらう。出すものは屁も出さない。都会のジャングル、ダウンタウン。 しかし、この街も昼間はそれなりにおだやか。 そんなある日の昼下がり。私は路上駐車するため、コイン式のパーキングメーター脇に車を停車。するとパーキングメーターから2メートルほど離れた歩道にたたずむ黒人のやせたオバちゃんを発見。 よくいる『小銭せびり』と決めつけ、目を合わさずに無視。 短めの髪はボサボサ。というかホツれまくり。フロはおろか、何日も顔さえ洗ってないとおもわれる風貌は年齢不詳。ファッションは、ドロで煮しめたようなTシャツに年季の入ったジーンズと、いたってノーマルなLAダウンタウン・ファッション。ノーブラの胸元に透ける乳首がアイキャッチ。見たくない。でも見てみたい。でも見てはいけない。でも見ちゃった。まぶたに焼きついた鮮烈なイメージは、強くそして長く自分の記憶に残ることでしょう。記録より記憶。まぁ、そんなことはどうでもいい。 すでに私をロックオンしているオバの視線を意識しながら、目を合わさぬよう車を降りると、なぜかオバはすばやくパーキングメーターにピタリとマンマーク。 「カネやらねぇぞ」と強い決意を心に秘めながら、とりあえずコインを入れるため、素知らぬ態度でオバとパーキングメーターのあいだに割って入ろうとする私。 刹那! オバがポケットからクリップを伸ばしたような金属の針金を取り出し、パーキングメーターのコイン投入口に差し入れてガチャガチャやるとあ〜ら不思議、メーターの数字がどんどん増えていきます。 獲物が車から降りるタイミングに合わせて仕事を始める間合いも「早すぎず遅すぎず」と絶妙。疾きこと風の如く、侵しかすめること火の如く。スラム街が生んだ荒業師。 まっ昼間に人の目も気にせず堂々と悪行を犯す達人。共犯者的な気持ちでなりゆきを見守る私。その間、約15秒。電光石火の早業でメーターの駐車時間が60分に増えると、ほほえみながら私に手を差し出し報酬を要求。「あなたにはこれで充分でしょ」と勝手に設定時間まで決定。どこか納得いかないまま、催眠にかかったような素直さで1ドル分のコインを支払う私。オバは軽く肩をすくめながらサンキューもいわずに立ち去り、すみやかに次の獲物へと向かいます。 そして残された私。「・・・こんどやってみよっと」 おしまい。 ■意外にクリーンなオバのなわばり ![]() ■これがオバの打ち出の小槌・・・ ![]() |