わたくし、短い期間でしたが日本に里帰りをしておりました。
いやあ、日本はイイなあ。何がイイって、自分がいままで培ってきた常識が通じること。ゴハンもうまいし、どこに行ってもみんな親切でサービスもゆきとどいてる。他人なのに「あうん」の呼吸が通じるとこがまたイイ。リラックス、リラックス。
しかし! たった二週間ほどの滞在で自分が腑抜けたことを思い知った。それもいきなり帰りの飛行機の中で・・・。
はあ、目が覚めた・・・
その日私は貯まったマイレージを使ってビジネスクラスへのアップグレードをしていた。座席はビジネスクラスの一番後ろの列だった。
さあ、扉も閉まり離陸準備オッケー。乗客全員が着席して、機内では「パソコンや携帯電話など、電子機器の電源をお切りください」というアナウンスが聞こえはじめていた。
しばらくしても滑走をはじめないので、私はふと思いついたことをメモするため、上の棚に入れたカバンを取り出そうとシートベルトを外して立ち上がった。頭上の収納棚からカバンを取り出し、面倒なので立ったまま手帳に書き込みはじめたところ、ななめうしろのエコノミークラスに座っている白人のデカいババアが軽〜く騒ぎだしたのである。
飛行中はビジネスクラスとエコノミークラスをカーテンで仕切るのだが、離陸前はそのカーテンも開いており、ババアが何かをいってる姿が見えた。はじめは何で騒いでいるのか分からず、おまけに私に向かっていってるとは思わなかったのだが、こちらへの視線を感じたのでチラッと確認したところ、どうやら私に向かって何かいってるらしい。
(ん、なに? オレにいってんの?)
しばらくすると、いきなり立ち上がってズンズン近づいてくるババア。立つと私よりデカい。
そして私に向かって「わたしは音楽も聴けないのに、なんであなたはメモができるのよ! 不公平じゃないのっ!」と怒鳴ってきた。
どうやら離陸を待つあいだ、自分は携帯用の音楽プレイヤーが使えないのに、ビジネスクラスでは座席を立ってメモをしてもいいのか、というワケのわからない理屈で怒っている模様。これぞアメリカ的。
あとから考えると、そんなことで怒鳴られる筋合いは全くないわけで、「うるせえババア!」とでもいってやればよかったのだが、哀しいことにしばらくの日本滞在で反射的な英語力&攻撃力が落ちていた。
とっさに出たセリフは、「そっ、そんなこと、フッ、フライトアテンダントにいってよ・・・」のひとこと。 弱い・・・、弱すぎる・・・。私は自分で発したセリフにショックを感じながら着席。シーンと静まりかえる回りの人々。
ババアは「あ〜不公平。こんなのおかしいわよっ!」と、なおもブツブツ。
(・・・ババア、おかげで目が覚めたよ。そうだよな、そうなんだよなアメリカって・・・。オレ、気を引き締めて戻るよ)
心のリセット完了。さあ帰るぞ。
味覚の砂漠。それがアメ〜リカァ
そんなワケで、LAに戻って参りました。
ここで宣言。
これからこのグルメ番長が徹底的にアメリカンな食生活をけなし倒す。それもシリーズで。
いつも日本をイジメやがって、アメリカめ。おまえらの貧しい食生活を暴き立ててやる。でもすべて事実だから悪口ではない。題して、『偉そうなこといっても食生活は貧しいね、アメリカさん』
私の独断だけど、日本人の味覚度を「10」としたら、アメリカ人は「3」か「4」くらいである。この国では電子レンジでチンすることを料理と呼ぶ。基本的には国民全員そんなレベル。
今回は、第一弾として肩慣らし程度に最近の出来事を紹介。
「ごちそうするからウチにおいで」って人を招待しといて、出てきたモノは冷えたピザとぬるいコーラ。ちなみピザは食べかけのドミノピザ。まぁ、このくらいは一般レベル。
同じく「ごちそうするからウチにおいで」って招待されて行くと、フライパンでよ〜く焼いた肉のかたまりがでてきた。文字通り焼いただけ。たぶんステーキのつもりだと思う。つけ合わせ類は一切なし。もちろんライスやパンもなし。肉の味つけもなし。おのれで塩を振るのみ。その家にはナイフとフォークすら無かったのでワイルドに手づかみ。プレートは紙の皿。以上。
はい、次っ!
日頃お世話になってる方から、「今夜、食事においでよ。ワイフがバッチリ作るから、なんにも食べてくるなよ」とのお誘い。
はいはい。
登場したメニューはパッサパサのチキンの胸肉。焼いてるんだか煮てるんだか蒸してるんだか分からん。さすが期待通りだ。味付けは塩コショウのみ。つけ合わせのポテトフライは油ギトギトで冷え冷え。
「ウマイだろ?」と訊かれ、「うん、おいしい・・・」と機械的に返答。もうかんべんしてください。ポテト残していいですか。
食のプロであるはずのレストラン業界や食材を売ってるスーパーマーケットも油断ならない。「ザガットサーベイ」とかいう有名なレストランガイドすらあてにならん。なぜなら採点してるヤツも味覚がヘンだから。ヤツらが絶賛しているレストランもハズレ率高し。スーパーマーケットなんかで売ってるデザート類も殺人的。とにかく甘いっ! そして人工着色しすぎっ! こんなの世が世なら危険物だ。
そんなモンを日々食いつづけているアメリカ人。キミたちの天下も長くないな。
ま、きょうはこの辺でかんべんしてあげる。