「初恋」

 彼女からの、電話はいつも突然だ。

「ケンケン今暇? 温泉行こーよ」


 俺は彼女に惚れている、いつものよーに、

「おう! 暇だぜ、行こうか」


 となる。
 そのあと二人とも温泉に入り暖まって、少し遊んだ。そして車で送ってもらうことになり、話しながら帰った。家も近くなり、また彼女からの電話を待つだけの生活が訪れる筈だった。
でもその日は違った。あと10分で家という所で俺の中のラブトレインが発進した!

「そろそろちゃんと付き合おうか?」


 と俺は切り出した。

「前にも言ったけど、ケンケンとは付き合わないよ」


 彼女の答えはこうだった。少し落ちたが、いつもの事と笑顔で彼女と別れた。
 家に着きタバコを一服した時、何故かは知らないが、ラブトレインがスピードを上げた! すぐに携帯をとり、

「もしもし俺だけど、さっきの事だけどもう一度考えてくれないか? もう無理なら、この電話切ったあとお互いの番号・メール全部消そう」


彼女もそれを考えていたようで、

「私もそう言おうと思ってた、そうでないと多分またケンケンに掛けちゃうと思う」


 と言った。……半分ガッカリ、半分ほっとした気分だった。その時、突然ラブトレインが暴走!!!

「最後に一つだけ! 俺はお前とすごくやりたい! もし、お前がやりたかったら、すぐにコールバックしてくれ! それじゃ元気で」


 自分でもびびった。アホかと思った。でも、そう言うしかなかった。
 当然コールバックはなかったのだが、このテンパリ君発言に関しては今も後悔はしてはいない。あれから2年、生まれて初めて恋をしたあの子元気にしてるかな……。

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