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あまーい
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先日遠目にフジテレビの番組を観ていて 「梅宮辰夫が料理してらあ」 と思ったのだが近づいてみると細木数子だった。 それにしても細木数子が料理することに一体なんの意味があるのか。 TBSの 「ズバリ言うわよ!」 にしても細木にエプロンを着せたがるのは深い謎だ。 さて、ここ数年で最も楽しく鑑賞している番組、「ガキの使いやあらへんで」 の罰ゲーム「絶対に笑ってはいけない○○シリーズ」 の中で、対象者を笑わせる小道具のひとつとして飾られていた掛け軸には 「焦げたテニスボール」 ことプロデューサーの菅賢治氏の言葉として 「ラーメンと動物は視聴率をとるんだよなぁ」 と書かれている。 なるべく多くの人に番組を観て欲しいなら、人間が本能的に抗いがたい欲求、俗に言う三大欲求に訴えるのが手っ取り早いことは誰にでもわかる。 しかしながらそのどれもが電波に乗せて放送するのに向いているわけではない。 ゴールデンタイムに人気アイドルが水着で大集合し、さらには騎馬戦で 「そういう係の女の子」 がぽろりぽろりやっていたのも今は昔。 今や「性欲」 に直接訴えかけるものは電波にはますます乗らなくなった。 しかしながら性欲が 「未来に種を残すためのもの」 だとすれば、美しい恋愛を描いたものだって広く見ればその欲につながるわけだし、「動物をかわいいと思う気持ち」 も種を守るための父性や母性に関係していると言えなくもない、って本当か。 難しいことに首を突っ込んでしまって脳が痛いので次へ。 「睡眠欲」 に訴える映像なんてあるのだろうか。 ベルーナショッピングを観ていて、ふっかふかで軽くて暖かい羽毛布団を 「実家が布団屋の箱山君」 が一生懸命に紹介してくれても別に眠りたくなるわけではない。 布団の魅力より「なんで箱山君は実家を手伝わないんだ」 という方に気をとられてしまう。 もしあるとしても、不眠症でもない限り 「眠くなる映像」 を積極的に観る人などいない。 結局テレビと相性がよかったのが 「食欲」 である。 「グルメブーム」 と言われて久しいがなにせ衰えたことがないんだからもはやブームどうこうではない。 テレビの上では案外三大欲求に訴える番組は自然と一定時間数確保されるようになっていて、「性欲もの」 への規制がきつくなった分 「食欲もの」 へシフトしているようにも思える。 私が初めて家庭料理以外で 「どこのどういう料理がおいしいらしい」 と意識し始めた番組は80年代中盤の 「愛川欽也の探検レストラン」 である(キリンの 「ハートランド」 というビールはこの番組内で作られたように記憶している)が、以来20余年、グルメ番組は途切れることなく続き、「料理の鉄人」 を決定版とした数々の番組で有名料理人達はすっかりお茶の間でもお馴染み。 陳建一なんてそこらの芸能人よりも堂々としたもので、東京電力のCMで(絶対に使わないクセに)「IHクッキングヒーター」 に感心してみせる姿は坂口憲二の医者役なんかよりよほど役者然としている。 ニュースやワイドショー内での1コーナーを含めると 「グルメもの」 が放送されない日はない。 ただ紹介される店が大部分は東京の店であるから、おいそれと上京などできない地方の視聴者が 「『六本木の交差点近く』って言われてもなあ」 という気持ちで悶々としているのかどうかは知らない。 けれどそれだけ多くの店、料理の映像が全国に放送されている。 私が家にいる限りほぼ必ず観るグルメものがふたつある。 まずひとつがフジテレビ金曜夜の 「メントレG」 の 「メントレレストラン」 だ。 「ゲストが好きな3品のうち、今食べたいのはどれか」 をTOKIOが予想し、当てたら食べられるというもの。 司会進行役の国分太一だけが3品全てを紹介しながら食べられるのはなぜかと疑問に思っている人は多いだろう。 それはこの企画が国分の持ち込み企画だからだそうだ。 そしてもう一つがテレビ朝日土曜夕方の 「裸の少年」。 名前も知らないジャニーズの蒙古斑がありそうな若い子達と、道場六三郎、陳建一、田崎真也らが毎回テーマに沿った店を食べ歩くというもの。 食の世界では 「大御所」 と呼ばれるであろうビッグネーム達も 「なんでこんな若造どもと行かなきゃならないんだ」 という態度など微塵も見せず、むしろリラックスした表情で若造と楽しくやりとりをしているし、いつの間にか私も楽しみにして観ているのである。 番組名は気持ち悪いけど。 奇しくもこの両番組の食べ役はジャニーズタレントなのだが、「グルメレポートでは安易に 『おいしい』 といってはいけない」 などというセオリーを視聴者側も耳にしたことがあるこのご時世に、国分太一も若い子達も素直に目を輝かせて 「うめえー!!」 と言うのである。 前にも書いたように私は 「レポーターの 『素』 の表情しかアテにしない」 ので、それでいいと思っているし、そこしか観ていない。 どうも最近のほとんどのグルメリポートには 「いいフレーズ言わなきゃ」 という 「頑張り」 や 「商売っ気」 が見えてしまうのである。 もちろんそこには 「おいしいで済まさない」 演出の意向もあるだろうから本人だけのせいではない。 でもこれだけ毎日誰かが料理を食べてコメントしているのを観て聞いていると 「本当においしいと思っているかどうか」 は視聴者にはわかってくるのだ。 視聴者をナメてもらっては困る。 「余分な脂が落ちていて・・・」 という表現をよく聞くがそんな都合のいい話がそうそうあるのか。 知ってるのかどこまでが余分かを。 「これはトロじゃなくてもう牛肉ですよ!」ってマグロの立場は? 大間のマグロ漁師・渡辺さんの立場は? ウニを食べて 「あまーい!」 と喜んでいたのに、スイーツを食べたら 「あまくなくておいしいー!」んだそうだ。 もうグルメリポートなんて手詰まりなんじゃないのか。 「食わず嫌い王」 で憲さんが 「白いご飯持ってきてくれよ」 なんて言ってるあたりが一番食欲をそそるんじゃないのか。 |