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雑誌「さぶ」買ったことあります。
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シチューや鍋物のCMが目立つようになり、 「パブロン」 のCMでもねっとりした親子関係がよりいっそう寒さを感じさせる季節となりました。
その寒さの中、私は声を大にして言いたい。 「シチューも鍋も、湯気をCGでつけるな!」 と。 何でもかんでもCGで済まそうとするのは如何なものでしょう。
ひどいのでは 「クスリのCMで手のひらに転がる錠剤がCG」 というのも観たことがあります。 かえってコストかかってないか? あとかわいい動物の映像をわざわざCGでいじるのも最悪。
笑わせたり変なポーズとらせたり。 ああいやだ。
さて、先日のフジテレビ 「HEY!HEY!HEY!」 に松たか子が出てきた時、「我が家だけの常識」 みたいな話題で 「テレビのリモコンのことを “ズバコン” と呼んでいる」 と言っていた。 あの松本幸四郎までが 「スバコン取ってくれ」 なんて言っていたわけだ。 しかしつい最近、兄の市川染五郎がまじめな顔をして 「おい、あれ世間では “ズバコン” って呼ばないらしいぞ」 と言い、松たか子もそこで初めてズバコンが世間では通じない事を知ったという。 ダウンタウン浜ちゃんが 「それって商品名やんな?」 と言ったところで私の錆び付いた脳みそもギシギシ音を立てて動き出した。 (確かそういう名前のテレビがあった!!) そう、番組中でも紹介したようにそれは日本のリモコンつきテレビのハシリ、サンヨーの 「ズバコン」 のことである。 そうそう!懐中電灯みたいな形のごっついリモコン! ボタンはせいぜい 「電源」「チャンネル上がる」「チャンネル下がる」 ぐらいしかなかったのではないか。 当時の人はこのズバコンでちゃんとテレビ側の受信部分に狙いをつけ、プラッチッキーなボタンをガチャガチャ押して 「すげえ」 なんて未来気分を味わっていたのだ。 それから30年以上。 テクノロジーというものは今日もどんどん進化していて 「へえ、すごいね」 なんて思っていた新機能もそのうち当たり前になり、日常生活は至れり尽くせり、大抵お望み通りに行くものだと錯覚してしまう。 高校野球観戦に出かけて、逆転タイムリーを見逃しても 「じゃ、リプレイを」 と思ってまだバッターボックスを見ていたりする。 リプレイなんかないって。 また私には、関心の無いフリして実は他人の話をじっくり聞いているという習性があるのだが、それが聞こえにくいと 「このバカップルにリモコンを向けたらボリュームが上がらないものか」 といつも思う。 贈答品などで宅急便の伝票を何枚も書く時、「郡」 や 「マンション名」 までいちいち書かなければならないのが面倒になり、「免許証の住所を人差し指でなぞって“コピー!”と念じ、伝票をまた指でなぞって“貼り付け!”と念じるだけで全部転記されろよ」 と訳のわからないことを考えてしまう。 ドラえもんか何かに描かれていた 「未来の地球人」 は、暮らしがあまりにも便利になってしまった為に手と足が細く退化していた。 上に挙げた “横着” はその一歩手前の兆候なのかも知れない。 「“その日に思いついた飲み会”って、ケータイがない頃どうしてたっけ」 と考える。 私用丸出しで友達の職場に電話をしたり、友達の自宅に電話をしてお母さんに伝言を頼んだりしていたのがなんともいえない味のある事のように思えてくる(そういえば 「電話番号の暗記」 というのもめっきりできなくなった)。 ある友達は 「今日飲み会やるけど店がまだ決まらない」 とだけしか伝えなかったのに、「よう。」 と何事もなかったように私たちのいる店の暖簾をくぐってきたこともある。 「なんとなくここだと思った」 そうだ。 そういう 「不便なりの味」 みたいなものはわざわざ大事にとっておくことではないのかも知れないが、無くなってしまうのも寂しい気がする。 19歳の夏、浪人中の友達を訪ねると、一番勉強に身を入れなければいけないこの時期に、そいつは 「原田ゆかり」 という若い演歌歌手(今も現役らしい)のことがなぜかとてもかわいく見えてしまったらしく、ハマリにハマっていた。 そして愛しい彼女の歌声を手に入れにレコード屋へ行きたいという。 お目当てのシングルレコードのタイトルは 「三味線師ロンリーブルー」。 どんなヤツのどんな気持ちだよ。 めでたくそれを見つけた友達は、表情こそ平静を装っていたが顔色は真っ赤にしてレジへ向かった。 レッドフェイスでロンリーブルー。 “付き添い” のはずだった私ともう一人は途中で陰に隠れ、腹を抱えながらその様子を見ていた。 便利な今はCDを買わずにネット配信で音楽を手に入れることができる。 私は利用したことがないのでわからないのだが、たぶんそうやって購入できるのは “メジャーどころ” であって、誰が買うんだこんなの、という作品は今でも相変わらず店頭へ赴かなければならないだろう。 なんなら 「ええと、細川ふみえの “だっこしてチョ” を注文したいのですが」 というように 「取り寄せ」 をお願いしなければならない。 生身の人間に注文・会計をしてもらうという行為は 「私は “だっこしてチョ” を買うような人間です」 というカミングアウトでもある。 マニアックな作品を購入する人の中にはそこに快感を得るタイプも少なからずいるだろうし、音楽に限らずそういうニオイのする作品を多数所有している人 (例えばみうらじゅんなど)については 「よくこんなに集めたな」 だけでなく 「これ全部レジに持っていったんだ」 と想像するのが楽しい。 世の中が便利になり過ぎるとそういう面白味も減ってしまう。 ホンダスーパーカブでビデオショップへ乗り付け、フルフェイスヘルメットのままアダルトコーナーへ直行、ビデオ3本をむんずと鷲づかみにして堂々と会計を済ませ、風のように去って行ったおじさんを見たことがある。 「カッコイイ・・・」 と思った。 でもアダルト作品もダウンロードで購入できる現在、そのような男気のある人を見ることはもうできなくなってしまうのか。 なんかちょっと残念。 あ、ヘルメットを脱がない時点で男気はないか。 |