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トヨタ 「マークX」 のCMで、佐藤浩市演じる部長に向かってピアスをしろだの取引先に頭を下げ過ぎだのワケのわからないことをのたまっている女性部下は一体仕事というものを何だと思っているのだとご立腹の皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
さて 「仕事」 といえば、先日ある番組で島田紳助が 「お笑いで給料20万もろてるやつなら(視聴者は)みな名前知ってるで。 そんなもんやで。」
と言っていました。 テレビでちょいちょい見かける芸人でも、ごく一部の売れっ子以外は大した給料をもらっていないというのです。
ご存じの通り“みのもんた”は大変な働き者です。 いくら毎朝のココアが健康によくても、早朝と昼の生放送を連日こなし、4択クイズをしに来ただけの解答者を瞳というよりも毛細血管で追いつめていく姿はもはや
「精力的」 という表現では追いつかず 「絶倫」 というほかありません。 高額納税者の芸能人部門1位になっても、あれだけ働いていれば合点がいきます。
「仕事量とカネ」 の 「カネ」 はさておき、ここで考えたいのは芸能人として求められている 「仕事量と役割」 のことです。 BSやらCSの普及で視聴可能なチャンネルは増えても人口は1億2000万人、そして1日が24時間しかない限り、「テレビに出ている人全体が求められる仕事量」
はそれほど変わらないように思うのです。 ほぼ決まった量の中身を役割によってシェアしあっているわけです。
よく出演者同士で 「キャラがかぶる」 のをイヤがっているように、担う役割もほぼパターンが決まっていて、叶姉妹のような 「新発明」 はごく稀にあるものの基本的には既存の席に「空き」
が出て初めて新しい人がそこへ入るのではないでしょうか。 細木数子が数年前からあれだけ忙しいのは、野村沙知代が消えたことによって空席となった
「ラフレシア」 と、田代まさしが消えたことによって空いた 「ポマード」 の両方を一手に引き受けているからに違いありません。
私が最近 「量と役割」 で一番気になっているのは東京ガスのCMにおける田村正和です。 料理にその細腕を振るい娘に 「ブルターニュの塩持ってこい」
とか 「本わさび買ってこい」 など典型的 「わがままな父」 というお似合いの役割を演じているものがあります。 このバージョンでは量においても
「なんかうるせえ」 と感じるほど働いていますが、ほかのバージョンで田村正和はどれも一瞬しか登場しません。
「マサにガスだね。」 というキャッチコピーはまず田村正和ありきのものと推測できます。 だからIHクッキングヒーターが台頭している中、ガスがいいよってせめてひとこと言わせて、と必ず現れる、あれはあれで量・役割ともに適切だといえるでしょう。
しかし別バージョン、イスに腰掛けうすら笑いで 「ボヌール。」 これひとことしか言わないで終わるCMにはこちらがイスからころげ落ちそうになりました。
マサカズ何しに来た。 役者ですからシチュエーションやコンセプトを十分理解した上で仕事に臨みたいはずなのに、ただボヌールワンフレーズのためだけにとっくりセーターに袖を通し家を出るマサカズ(←イメージ)。
そのモチベーションや如何に。
量は瞬きする間もないほど少ないし、「ボヌール」 という語感も手伝ってその役割はどう見ても 「おあつらえ向きのものまね教材」。 普通に考えれば田村正和の用法・用量としては疑問符が付きます。
しかしながら私は現にこのCMを必ず最後まで見届けて 「マサカズそれだけかよ」 と笑うか 「ボヌール」 という商品名をあの口調で唱和までしているのです。
田村正和は 「普段からあのまま」 という噂です。24時間365日飽くことのない 「田村正和道」 の追究によって、わずかな力で相手を手玉に取る術を身につけたのなら私を秒殺することなどたやすいわけです。
おそるべし。 髪の毛の傷みなどどこ吹く風。
追記:冬に向けてつい最近放送が始まった新しいシリーズは用法・用量共にいい塩梅のCMに仕上がっています。 長袖の季節になって水を得た魚のようです。
半袖が似合わないから。
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