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板谷くんと私(続編)
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白いショーツ姿の2人のモデルが、ライトに立ち向かうように、並んでポーズをとった。 「裸体って?・・・スッポンポンじゃないやん!」 てっきり、素っ裸を撮影できると勘違いしていた私は、少し失望した・・・が・・・まぁ、生乳を撮れるんだから、ヨシとしよう。この時期、私は彼女もできず、モンモンとした日々を送っていたのだ。阿佐ヶ谷美術専門学校には、もちろん女性の生徒も半数いたが、クラスのほとんどの女性と、話したこともなかった。板谷くんと私は、少し学校で浮いていたのかもしれない。 モデルの1人は、日本人離れした美形だった。スタイルも抜群で、カメラマンの7割がこの女性を追いかけた。もう1人は、純日本風の肌の白いモデルだった。造形的には「イマイチさん」だったが、何故か美形のモデルより、断然色気があった。2人とも26〜28歳のバイトという感じだった。 《ブ―「カシャッ」「カシャッ」「カシャッ」―ン》 空調音と不規則なシャッター音だけがスタジオ内に響いた。2人のモデルは、立ったり座ったり、いろんなポーズをとる。それを私は、同じように立ったり座ったりしながら撮り続けた。36枚撮りのフィルムを、あっという間に撮りきってしまう。その度に、手動で巻き上げて、入れ替えなければならない。その作業が、もどかしい。慌てれば慌てるほど、時間がかかる・・・。最初こそ、エロ妄想で膨らみっぱなしの脳内だったが、撮影に没頭するにしたがって、ある変化に気が付いた。「実はそんなに・・・思った程・・・つーか・・・全然、エロくない」のである。「いい写真を撮らなければーっ!」という一途な思いが、あらゆる邪念を打ち消してしまうのだ。これには自分でも驚いた。 しかし、その現場にただ1人だけ、その邪念を一身に請け負って、「ハァハァ」言ってる男がいた・・・板谷くんだった。 「ハッチャキー、ハッチャキー、俺さぁ、勃起しちゃってるよ〜」 小声で耳打ちしてくる・・・。見るとカメラを持ったまま、本当に腰をかがめていた。 「えっ、ええ〜っ? ・・・ふぇ〜あふぅむにゃむにゃ」 私はひどくあやふやな返事をして、やり過ごした。板谷くんは本物だった。本物のエロキチガイだった。そんな彼を今は、まともに相手にしちゃいけないと思った。 友達より撮影を選んだ私は、それこそ無我夢中でシャッターを切った。右手の人差し指が、うまく動かなくなるまで、撮って撮って撮りまくった。 何回目かのフィルム交換の際に、ふと我に返った。撮影も終盤に違いない。けっこう納得できる写真が撮れてるはずだ。少しの充実感に包まれる・・・。 「ふ〜ぅ、あとひとがんばりっ。時間まで撮りきって・・・あれっ? あれれっ?? うっ、うへえええっ!!!」 たった今、大変な事に気がついた!! モデルの1人、純日本風の「イマイチさん」がおかしい! あろう事か、彼女のショーツに、クッキリとシミが浮き出ているのだ!! しかも、顔はピンク色に上気し、目がトロ〜ンとしている!!! 無数のカメラのレンズに「カシャッ」「カシャッ」と犯され続けた彼女は、ついには気持ちよくなってしまい、自分のショーツを濡らしてしまっていたのだ・・・。 (こっ、この状況は、いったいなんやぁぁぁっ! なんでみんな、あのモデルを冷静に撮れるとかっ!! 気付いてないとかっ? いやっ! 気付くっ! あれは気付くっ!! 今、気付いてなくても、20秒もあれば、どんな間違い探しよりも簡単に気づけるぅぅぅっ!!!) 体をクネクネさせる「イマイチさん」に、私はドン引きした。というか、フリーズした。私の中のエロと常識の境界線がグニャリと折れ曲がり、この状況に対処できなくなっていた。 私だって、性欲の塊のような成人男子だ。ここが誰もいない密室なら、カエルのように彼女に飛びかかっていっただろう。しかし、しかしだ、なにはともあれ、今は授業中なのだ。先生だって、スタジオの隅で腕組みしているのだ。それなのに、目の前で繰り広げられている「あれ」は、いったいなんなんだ。ここはハレンチ学園か? 私は山盛りのカメラマンの中から、無意識に板谷くんを探していた・・・。 私のおしりの左ホッペに、コツコツと股間を当ててくる男がいた。 「ハッチャキー、ハッチャキー、俺ヤバイよ〜」 板谷くんは、ちょうど私の真後ろにいた。 「板谷君、あの人さぁ、あの人って・・・」 彼のデカマラを避けながら、あのモデルの状態を、彼に教えようとした。 「グフフフッ、知ってるよぉ〜、やっぱりドスケベな顔してやがるよぉ〜」 やはり、彼は気付いていた。当たり前だ。このエロキチガイが、「あれ」を見逃すわけがなかった。 しばらく、「たまんね〜」とか「この、淫乱がぁ〜」などとつぶやきつつ、板谷くんはシャッターを切り続けた。私はといえば、なんかもう・・・撮る気も失せて、ただつっ立っているだけになっていた。みんなの邪魔になるので、ちょっと、その場から離れた。相変わらず、空調音とシャッター音だけが、スタジオに響いていた。窓がないので、まったく外とは遮断されているが、もう陽が傾きかけているのかもしれない。 ずいぶん長い間、板谷くんを目で追っていたと思う。彼はカブリつきで、湯気が出るほど一生懸命に撮影していた。 ・・・なんだ? 妙な違和感を感じる・・・。まったく休みなしで、撮り続ける板谷くん・・・。私は穴が開くほど、彼を見つめていた。なんかっ、・・・いやっ、やっぱりおかしい! あの男、今まで1回でもフィルムを交換したっけ? 私はたまらず、にじり寄った。 「板谷くん! そのカメラっ! ふっ、フィルム! ン〜とっ、今までフィルム何本撮った?」 照れくさそうに、彼は小声でこう言った。 「いや〜、実は俺のカメラ、フィルム入ってないんだよ」 やっぱりだった!!! 彼はレンズを通して、ずーっとモデルを観ていただけだ! 写真なんか1枚も撮っていない!! 彼にとってここは、白いストリップ劇場だったのだ!!! 「ぶぷッ・・・グッ、グッ、ぐぅぅ〜おぉぉぉっ」 死ぬかと思った! 静かなこのスタジオで、腹から笑えないことは拷問だった。涙を流し、プルプル震えながら、こう思った。 「こっ、この人、半端じゃなくイカレてる!!!」 ま・さ・に、この瞬間だったのです。私が板谷くんを初めて天才だと感じたのは! あっ! 間違えたっ! 天才じゃなくて、変態でした! ↑腐れオチ <おわり> |
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天神の三越の雄ライオンを、見事に乗りこなす私。 |
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雄ライオンの機嫌を損ない、襲われる私。 |