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【第十六回 第二部6 〜救世主〜】
中学入学早々番長グループのパシリとなり、惨めな一年間を過ごした僕だったが、二年になって事態は好転した。同じクラスにトオル君がいたからだ。
トオル君は成績優秀でスポーツ万能、おまけに長身で二枚目で性格も良く、みんなの人気者だった。同級生の中では、唯一番長に対抗し得る存在でもあった。
トオル君とは同じクラスになるまで殆ど話したことは無かったが、僕が番長グループに苛められていたのは前から知っていたらしく、放課後一緒に帰ろうと誘ってくれたり、校内でもそれとなく番長グループから守ってくれた。
番長の方も正面切ってトオル君たちと争うつもりはないらしく、僕のクラスにはあまり近づいてこなかった。僕が番長グループに呼び出される事もなくなった。
トオル君からは、自分のグループ(といっても不良グループではなく、普通の遊び仲間)に入らないかと誘われたが、丁重に断った。番長を刺激するのは嫌だったし、トオル君のグループに入っても下っ端になる事は予想できた。もう「グループ」なんて懲り懲りだったのだ。申し出を断っても、トオル君は気を悪くする事もなく、それまで通りクラスメイトとして仲良くしてくれた。
それからは、番長グループの連中に会わないよう、常に細心の注意を払う必要はあったが、とりあえず普通の学校生活を送れるようになり、新しい友人もできた。
中でも、一番仲良くなったのが同じクラスの牧野君だった。
(続く)
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