【第三十回 料理対決 2】 


 ご飯が足りない、買いに行くと言い張るウザガキことハック。仕方がないので、ちょうど買い物に行こうとしていたキャーム&ハッチャキの車に同乗、ご飯を買いに行くことになりました。

 まずはスーパーで乾き物、ハッチャキの鍋に使う豆腐などを購入した後弁当屋へ。ハック以外の三人は車で待っていたのですが、いくら待ってもハックは戻ってきません。

 不審に思って弁当屋に入ってみると、店内に客はハックだけ、悠然とイスに座っています。厨房を覗くと、こちらもおばちゃんが一人きり、鬼のような形相で次々とご飯をパックに詰めています。

「ハック、一体いくつ頼んだんだよ?」
「大盛り10個なんすけど、それを半分にしてもらってるんですよ」
「はぁ?」
「だから、大盛り半分を20個頼んだんですよ。これで一人分の量もちょうどいいし、後はカリーを注ぐだけでオッケーなんすよ。フフフフフ・・・」
 不敵な笑みを浮かべ、名探偵コナンばりにメガネをキラリと光らせるハックルベリー田村。

 もう呆れて物も言えないというか、まず弁当屋に入った時点でこの小僧はキャーム、ハッチャキ、ポク蔵を待たせているのだし、会場に残っているメンバーも、この四人が戻ってくるまで乾杯もしないで待っている訳ですよ。普通の人間ならさっさと大盛り10個買って会場に戻り、後で量を調節しようと考えるはずです。

 それをこのメガネッ子は自分の手間を省く事しか考えず、おばちゃん一人しかいない事も判った上で、「大盛りを半分に分けろ」などという、聞いたこともない特別注文を繰り出し、おばちゃんの手間を倍にして無駄な時間をかけさせているのです。

 日頃は温厚で、何があっても怒らない事で有名なポク蔵もさすがに堪忍袋の緒が切れて、帰りの車内でさんざん説教したのですが、当のハックは何故怒られているのか納得いかない様子。

「いや、これでご飯を分ける必要もないし、後はカリーを注ぐだけなんでナイスアイデアだと思ったんすけど・・・」
「だから、それはお前だけの都合だろ!もっと他人の事も考えなくちゃダメだよっ!」
「・・・・・・悪かったっす。でも、後はカリーを・・・」
「もういいっ!」
「・・・」

 微妙に険悪な雰囲気になりつつも会場に戻り、ようやく料理対決&忘年会が始まりました。
 さっそく皆が持ってきた料理の試食がスタートしたのですが、ポク蔵はこの日どうしても外せない用事があり、ここで再び会場を後にしました。
 会場に戻ってきたのは午後10時過ぎ。どうやら料理対決は一段落したようで、みんなでクイズ大会をして盛り上がっている最中でした。
 
(続く)

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